2005年06月26日

遭難

 なんだか‘あ●ない刑事’のタイトルのような本日のつきゆび日記(笑)、いえ、今回はマジでヤバかったです。今日はおふざけなしで書かせていただきます。

 2週間前に奥手稲山と言う山に登った。バイクでも登れる山である。その時は残雪があり、最後までバイクで行けず、途中から徒歩で山頂を目指した。

 しかしここ数日、札幌は30℃を越えた。これだけ暑ければ、あの雪もすっかり溶けているはず。今度こそ奥手稲山までバイクで行くぞ〜!

 朝方、曇っていたが、徐々に晴れてきた。天気予報はこのあとも晴れ。午前11時すぎ出発。順調に行けば、3時ぐらいには帰って来れるはずだから昼飯はそれからでもいいだろう。朝飯は8時ごろに少し食べた。まぁ、何とか昼過ぎまでもつだろう。バイクで行くわけだから、そんなに体力も消耗しないと思うし。

 春香山登山口から突入。しばらく進む。登山道から林道に変わる。更にしばらく進む。このあたりから雪があるはずだが・・・。

 予想通り林道を覆っていた雪は溶けていた。しかしバイクが通れるぐらいの幅のみ。今週はずーっと暑かったのに、ここにはまだこんなに雪が残っているのか・・・。その名の通り、本当に奥深い山なのである。

 それからも順調に進み、奥手稲山の山頂と思われるところ(山頂には標識や看板が一切無い。恐らくここが山頂だと思うのだが・・・。)の最後の登りの手前まで来た。ここからはさすがにバイクではムリ。一応バイクにハンドルロックをかけ、山頂を目指す。当初の予定通りである。

 しかしここも去年の台風の倒木でひどい状態。枝に引っかかってコケたり、ひっくり返ったりしながらも(笑)、倒木にピョンピョン飛び移りながら進む。

 山頂に到着。立ち木が多く景色は良くない。一応、一番マシな場所で写真を撮る。(写真は‘ぼく鳥’で見るべし。)

 ここまでも予定通り。あとは帰るだけだ。バイクの近くまで戻ってきた。ジーパンのポケットをまさぐる。??右ポケットに入れたはずのバイクの鍵が無いぞ・・・。左ポケットを探す。小銭しか入ってない・・・。

 リュックを開け全て確認。無い、無い、無い!どこ探しても鍵が無い!ここから一気に歯車が狂い始める・・・。

 記憶を回想。バイクにハンドルロックをかけているからその時は持っている。そこから山頂まで行って戻ってくる間の約30分。そのあいだに落としたはず。あっ!あのコケたり、ひっくり返ったりした時だ!あのとき以外考えられない!

 クッソ−、ジーパンのポケットから鍵が落ちるなんて・・・。予想だにしていなかった・・・。この広い山の中で、あの小さな鍵を見つけることは不可能・・・。ハンドルロックかけてるから押していくわけにもいかない。バイクで行けばせいぜい40分ぐらいでふもとまで下れるが、徒歩ならおそらく3時間はかかる・・・。(その場合、当然バイクは置いていくことになる・・・。)頭の中が真っ白になった。

 そーだ、ケータイがある!何とか家族の誰かに連絡して、バイクの合い鍵を持ってきてもらえないだろうか。電波あるかなぁ・・・。出切るだけ見通しの良さそうなところで妹にかけてみる(その方がつながりそうな気がする)。つながった!

 事情を説明。この林道は車でも来れないことはないが、あいにく登山口にはゲート(門)があり、鍵がかかっている。バイクならばゲートの横をすり抜けて入ってくることが出来る。

 不幸中の幸いと言うべきか、弟がカブに乗っている。彼に来てもらうしかないな。50ccのカブでこの林道を登って来れるのかと言う疑問はあるが・・・。

 とは言え、この山は分岐点が多く、相当入り組んでいる。(道案内の標識等が一切無い山である。)登山経験のある者でも下調べ無しで登ればまず迷う。ましてや登山経験の無い弟ならなおさらのこと。ケータイで随時連絡を取りつつ、且つじょーんも下山し、落ち合うしかないだろう。何時間かかるか分からないが・・・。

 下山開始。うっ、雨が・・・。クッソ−、聞いてないぞ、今日の予報は晴れのはず。‘山の天気は変わりやすい’。登山者の常識。まさかこんな状況、想定していないので、前回同様ロクな登山装備をしていない。雨具もない。辛うじてリュックの中に、スノーボード用のウェアが下だけある。出来れば上が欲しかった・・・。

 2時間ほど下っただろうか。弟と時折、ケータイで連絡を取る。何とかお互い、近づいている感じだ。更に30分ほど下り、ようやく弟と落ち合った。

 合い鍵を受け取る。しかし今度は今、2時間半近く下ってきたところをまた登らなければいけない・・・。気が遠くなる・・・。カブに二人乗りして行けないかなぁ。やってみる。

 だめだ、この急な登り、とても50cc二人乗りでは登らない。・・・・・そう言えば山頂までの最後の1時間ぐらいは斜度のほとんどない平坦な林道だった。あそこなら二人乗りでも行けるはず。弟に先にそこまで行って待っててもらうことにした。さぁ、登るか〜・・・。

 雨は本降りになった。足がなまりのように重い。ずぶ濡れのジーパンが足にまとわりつく。ついでに夕方になり蚊がウジャウジャ出てきた。自分の周りを数え切れないほどの蚊が取り巻いている。虫除けスプレーなど持っていない。辛うじて水はあるので、飲もうと立ち止まると一斉に肌の露出している部分を蚊が刺してくる。立ち止まることも出来ないのか・・・。

 更に雨はどしゃ降りになった。ついでにガスまで出てきた。(山が雲ですっぽり覆われたような状態。)もはや体力の限界。朝から何も食べていないし。それに上半身がやけに寒い・・・。昨日まで30℃あったって言うのに。ずぶ濡れで数倍に重くなった服が確実に体力を奪っていく。蚊の大群も常に身の回りにいる。蚊をこれほど恐ろしいと思ったことはない。

 しかし、足は止まることなく一歩、また一歩と前へ出る。もはや肉体ではなく精神が足を動かしている状態。ここで立ち止まれば二度と動けなくなるような気がする・・・。進むしかない・・・。

 
 ようやく弟の待っているところに着いた。あとはこの平坦な林道を二人乗りで進むのみ・・・。うっ、弟が震えている・・・。そうか、じょーんはこの急な登りを1時間近く登ってきたから、寒いとは言え、体は温まっているが、バイクで登って且つ、ここでどしゃ降りの中待っていた弟の体温は下がる一方・・・。じょーんもヤバいが、弟もヤバいぞ・・・。さっさとバイクを取ってきて弟を帰さなければ!

 そこからは平坦な林道。歩けば1時間はかかるが、バイクなので十数分で着いた。しかしここから更にじょーんのバイクの置いてある地点までは、カブではとても行けない急斜面の砂利道。とりあえず弟を帰す。さぁ、あとわずかだ!

 それから15分後・・・。ようやくバイクを置いてあるところまで戻ってきた。ここで鍵を無くしたことに気づき、電話をかけたのが2時半ごろ。今はすでに6時半。どしゃ降り。ガスが出て視界が悪い。日も傾きかけている。一刻も早く下山しなければ!

 そこからは無心だった。‘生きて家に帰る’。ただそれだけを目標に。・・・・・・・・・・・

 


 7時すぎようやく家に到着。体力の限界はとうに越えていた。両腕がしびれている。このどしゃ降りの中、慎重に慎重にバイクで下山してきたからだろう。

 とりあえず飯を食おう。約12時間ぶりの食事。気持ちが悪くなるぐらい食った。それから1時間半ぐらい死んだように眠った。腕のしびれはしばらく治らなかった。

 9時ごろ起きる。腕がようやく元に戻った。体中、何十箇所と蚊に刺されている。バイクでコケて膝もぶつけた。スリ傷、打ち身も数知れず。しかし、

 生きて帰った。

 今回はマジ、反省です・・・。近いし、標高も低い(1000m弱)と言うことで山をナメきっていた・・・。果たしてこの出来事を‘遭難’と呼ぶかどうかは定かではないが、命の危険を感じたのは確かだ。バイクや車の鍵はズボンのポケットではなく、リュックの中にしまうのは言うまでもない。どんなに低い山でも最低限+αの装備は持っていこう。

 こうしてじょーんは山の恐さと厳しさを知った。


 


posted by じょーん at 10:07| Comment(8) | TrackBack(0) | 事件 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
すごい冒険になっちゃったね。
まさか鍵を無くしてしまうなんて、憑いてないね。
携帯は持っていった方が良いらしいね。アメリカ人の知り合いも登山する時だけ携帯を使うって言っていたよ。
Posted by DIJ at 2005年06月26日 20:10
鍵なくして大変だったね!ちなみに僕は鍵の置き場所を良く忘れて10分ぐらい探すことがよくあったよ・・・
Posted by ゆうりん at 2005年06月26日 20:55
DIJへ 
今思えば、あの山奥でケータイの電波があったのは奇跡だった。途中、弟と連絡を取り合ってるときも通じない方が多かったからね。
ゆうりんへ
久しぶり〜!たまには飲み会等にも顔出しなよ〜。
Posted by じょーん at 2005年06月27日 07:09
Posted by at 2005年06月27日 09:21
Posted by at 2005年06月27日 10:28
Posted by at 2005年06月27日 10:35
わぉ・・・。
すごすぎるぅ。でも山って怖いよねぇ。怖い分だけ楽しさもあるんだろうけど、本当に油断は禁物だよねぇ。

あたし友達と行った冬山で一回泣いてるよぉ・・・w精神的にめちゃめちゃ弱いじゃん、なくなんてって自分で思っちゃったけどねぇ、怖いものは怖いぃー。

それにしても命の恩人、弟には感謝だね。
Posted by あやの at 2005年08月23日 22:34
へぇ〜、冬山の遭難はマジ怖ぇーな。よく生還しましたね!
Posted by じょーん at 2005年08月24日 17:33
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