2005年04月02日

鉄板は戦場

 これは高校3年生の時の思い出である。夏の学校祭で我が3年1組は優勝した。みんなのテンションは最高潮に達していた。(coolなじょーんも少しだけ弾けていた。)その勢いで二学期の修了式の日に校舎の裏庭で焼肉をすることに。

 みんな若さとハイテンションに任せて、男も女もものすごい勢いで肉をたいらげていく。そんなみんなの輪に素直に入れない二人がいる。じょーんとその友人Mである。この二人、クラスには必ず数人はいる斜に構えているタイプ。それに加え、学校祭の準備期間中、みんなの仕事を手伝わないで教室の前の廊下で毎日のように野球をして遊んでいたので、後ろめたい気持ちがあり、いまいちみんなの輪に入れないのである。

 しかしそんな二人がある一点を見つめ始めた。その視線の先にあるものは・・・スイカである。そう、二人は、肉は食わないでスイカをたらふく食おうという魂胆なのである。みんなあれだけの肉を食えば、スイカを食う余力(というか余腹)はないはず。やつらが弱ってきたところで一気にカタをつけてやる!(何の?)

 そろそろみんなの肉を食うペースも落ちてきた。一人、また一人と離脱する。鉄板上の肉もだいぶ少なくなってきた。そして最後の一袋らしき肉が投下された。K君が二人に声をかけてきた。「あれ、二人はまだ肉食べてないよね?」応答するM。「いやみんな肉食べきれないと思うからさぁ、」続けるじょーん。「オレたちが残飯処理してやるよ。食べ物を粗末にするのは良くないからね〜。」鉄板上にはまだ肉が残っているが、たいした量ではない。あれぐらい食べても十分スイカは食えるだろう。ところが次のK君の言葉に二人は耳を疑うことになる。

 「そうなんだ〜、ありがとう!実は開けかけのが何袋かあって困ってたんだよね〜。」そう言ってK君は数袋の肉をドバドバと投下した。「助かるよ〜。じゃ、あと頼んだよ!」二人は息を飲んだ。



  「鉄板は戦場」じょーんの頭にそんな言葉が浮かんだ。敵(肉)を倒しても倒しても(食っても食っても)一向に減る気配はない。一体、何キロの肉があるんだ・・・。

 戦闘開始30分。相変わらず二人の戦いは続いている。マインドBがじょーんを励ます。(がんばれ、じょーん!いいペースだよ!敵の勢いもだいぶ衰えてきたよ!)Mも自分自身を励ましているらしく、なにやらぶつぶつ言っている・・・。

 そのうちみんなは水遊びなど始めやがった。男子も女子も混ざってだ。「待〜て〜。」「やだ〜。」「かけないでよ〜黒ハート」うっ、みんなの動きがスローモーションで見える・・・。クッソー、青春を謳歌しやがって。ふと、鉄板の方に目をやるとどうだ、無表情の男が二人、ひたすら肉をついばんでいる・・・。

 こうして戦闘開始1時間、二人はこの戦いにようやく終止符を打った。最後の肉にとどめをさすM。硬い握手を交わす二人。ふぅ〜、何キロ肉を食ったんだ。もう当分肉は見たくないぜ。んっ?あっちに人だかりが出来ている。あの方向にあったものは・・・まさか!

 人だかりに分け入る二人。「(オレたちの)スイカは?」「あれ、二人はまだスイカ食べてなかったの?ごめ〜ん、もうないんだよね。」

 こうしてスイカで満たされるはずの二人の腹は、肉で満たされるのであった。

 
posted by じょーん at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 学生時代 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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